【Vol.16】国産イグサ畳の利用促進で熊本復興に貢献!~有限会社たかぎ(不破郡垂井町)高木一東志さん~
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第16回となる『岐阜人(ぎふびと)』は、本シリーズ初の西濃地方から!
今回は大垣市の隣にある垂井町で、65年以上にわたって畳の製造販売を行っている、有限会社たかぎの高木一東志(たかぎひとし)さんを訪ねました。
有限会社たかぎの工場兼ショールームは国道21号線にあります。駐車場からは「たたみ」・「ふすま」の文字が遠くからでも認識できます。
高木さんがショールームを併設した工場を開設したのは2006年のこと。
当時は工務店経由の受注(いわゆる下請け)が7割を占めていましたが、今では一般個人からの直接受注が9割を超えているとのこと!
ショールーム内は、畳を中心とした落ち着いた和空間。来店されたお客様のお話をじっくりとお伺いすることで、スムーズな受注につなげています。
店内奥には、様々なタイプの畳製品があります。
こんなカラフルな畳もありました!
ライフスタイルの変化に伴い「和室」が減少する中、畳の需要も激減。畳業界は今後も厳しい状況が予想されます。
しかし、洋間中心のライフスタイルが中心となるとはいえ、生活空間に「落ち着いた和の要素を取り入れたい」というニーズは依然として強くあります。そんな「和の要素」づくりに最適なのが畳!
高木さんは、そのような「和空間」を求めるニーズに応えるため、様々な商品開発を進めるとともに、設備投資も含めた技術力の向上に努めています。
こちらの畳はわずか1.5センチ。半畳サイズで1.8kgという軽さ!
片手でも手軽に持ち運べることから、洋室で利用されるお客様が多いそうです。
こちらの畳は、災害発生時の避難所での利用を想定して開発された「防災畳」。
サイズは少し大きめの91cm×91cm。こちらを2枚敷くことで、大柄な男性が避難所で寝泊りする事態になっても、畳の上でぐっすり寝ることが可能となります。
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ご存知の通り、ここ最近は日本のどこかで毎年自然災害が発生しており、高齢者を中心に、避難所生活を余儀なくされる方が大勢おられます。
避難所生活でのストレスを和らげるためには、快適な睡眠が欠かせません。そこで2014年に全国の畳業者が連携して、災害時に全国の畳店から避難所に畳を無料で届けるプロジェクト『5日で5000枚の約束』が立ち上げられます。
高木さんも開設当初から本プロジェクトに参画。運搬・搬入に楽な「防災畳」が大いに活躍していることでしょう。
自然災害として記憶に新しいのは、昨年4月に発生した熊本地震。熊本県は、畳表の原料となるイグサ(い草)の一大生産地。国産イグサの95%超が、熊本県で生産されていると言われていますが、主たる生産地である熊本県八代市も、昨年の地震で甚大な被害を受けました。
高木さんは、国産イグサを積極活用することはもちろんのこと、毎年2回はイグサの産地熊本県に訪れています。勉強会に参加して最新情報を入手するとともに、契約農家を訪れ自らイグサの収穫作業を体験!
画像提供:有限会社たかぎ
実際にイグサの生産現場を訪問して生産者と話をし、さらにイグサの収穫も体験することで、お客様に対する説明の際にも活きているそうです。
イグサの生産は、収穫時期には午前3時に起床しての重労働。畳需要の減少と輸入品の増加もあり、この30年間でイグサ生産者は10分の1以下にまで減少しているとのこと。
「良質な畳」には国産のイグサは欠かせません。イグサ農家が今後も見通しを持って生産し続けられるようにするためにも、「国産畳」の良さを積極的に発信し、市場を切り拓いていくことが畳メーカーの使命であると、高木さんは考えています。
時代は変わっても、日本人の生活は欠かせない「畳」。今後も、高木さんの「畳を通じた新たなライフスタイルの提案」を楽しみにしたいと思います!
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