週刊WEBマガジン岐阜人(ぎふびと)

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【Vol.13】「鶏(ケイ)ちゃん」を日本の代表的食文化に!~有限会社萩原チキンセンター(下呂市) 日下部讓さん~

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第11回の飛騨フォレスト 今井康徳さんにつづき、今回も下呂市萩原町から『岐阜人(ぎふびと)』のご紹介。

今回紹介するのは、岐阜県を代表する郷土料理「鶏ちゃん」の製造販売を行う、有限会社萩原チキンセンター 代表取締役の日下部讓(くさかべじょう)さんです。

同社は、「鶏ちゃん(ケイちゃん)」を製造販売する、県内の代表的なメーカーです。一般的には「萩原チキンセンター」という社名よりも、「萩屋ケイちゃん」でおなじみのことと思います。

萩原チキンセンター 日下部譲さん

ご存知の通り「鶏ちゃん(ケイちゃん)」は、飛騨地方から郡上など奥美濃地方で昔から食べられてきた郷土料理です。日下部さんは愛知県弥富市のご出身とのことで、「鶏ちゃん」を初めて食したのは、結婚を前に日下部家に来てからのことだそうです。

鶏ちゃん

「なんて美味しい食べものなんだ!」と感動した日下部さんは、「鶏ちゃんの魅力をもっと多くの方に知っていただこう!!」と販路開拓に燃えますが、周りの反応はイマイチ。地元に人にとっては、きわめて日常的な食べ物であったため、「あえて自慢するようなものではない」といった認識だったようです。

さらに日下部さんは、愛知県碧南市のとある食品スーパーでショッキングな光景を目にします。主婦の方が、売り場にある「鶏ちゃん」の袋を手に取ってしげしげと裏表を眺めながらも、結局買わずに売り場に戻してしまったのです。

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「このパッケージでは、鶏ちゃんはどのように調理すればよいのか、域外の人にはわからない」、そのことに気づいた日下部さんは、「鶏ちゃん」を食べたことがない方にもわかりやすいよう、パッケージの改善に努めます。

まず初めに着手したのが「鶏ちゃん」の定義。

地元の人にとっては、当たり前すぎて定義すらされていなかった「鶏ちゃん」について、

・鶏肉を使い

・一口サイズにカットして

・みそや醤油などを調合したタレに漬け込んだもの

と定義します。

鶏ちゃんパッケージ変遷

写真提供:萩原チキンセンター

 続いて調理方法について、はじめは裏面に、その後表面にわかりやすく表示することで、誰でも簡単に「フライパンで焼くだけ!」ということがわかるようになりました。

「鶏ちゃん」をより多くの方に食べていただくために不可欠なのが、一つは市場の拡大、そしてもう一つは安定的な製造体制の確立です。

宣伝・PR活動は、自社だけでの取り組みでは限界があります。

そこで日下部さんは、平成19年に設立された『飛騨美濃鶏ちゃん協同組合』代表理事として活動するとともに、5年前に建国された『鶏ちゃん合衆国』の副大統領兼商務長官としても活動し、「鶏ちゃん」ファンの拡大に努めています。

ちなみに下の画像は、昨年8月24日に飛騨市古川町で開催された『鶏ちゃん大交流会in飛騨古川』の様子です。

鶏ちゃん合衆国イベント

市場が拡大しても、「食の安全」を確立したうえで安定供給ができなければ意味がありません。そこで日下部さんは、自動でカットや充填を行う機械設備を導入して生産性向上を図るとともに・・・

鶏ちゃん製造風景1

金属探知機を導入することで、破片等が混入した商品が出荷されるのを、未然に防ぐ手立てを施しています。

鶏ちゃん製造風景2

さらに5年前には、食品安全マネジメントシステム『ISO22000』を取得。安全衛生を確保し続けるためのマネジメント体制を確立します。

ISO22000

今の時代、いかに「良い商品」をつくっても「安心」「安全」を保証できなければ、販路開拓は実現できません。同社においても、『 ISO22000』取得したことによってバイヤーからの信頼性が増し、商談がまとまりやすくなったようです。

『 ISO22000』取得には、コストも手間もかかります。それでもあえて取得した理由を尋ねると、「単に自社の売上拡大というだけでなく、県内の代表的メーカーとして鶏ちゃんの裾野を広げる責務」を意識しての取り組みであるとのことでした。

 最後に今後の夢について質問したところ、「鶏ちゃんを日本の代表的な食文化の一つに押し上げたい」と語られました。「和食」が世界文化遺産に指定されて以降、海外での日本食ブームやインバウンドでの日本食人気が高まっています。幸いなことに鶏肉は、宗教・宗派を問わず食べていただける食材です。

今後、「鶏ちゃん」が”岐阜県の郷土料理”の枠を超え、世界中で食される日が来ることを楽しみにしたいと思います!

↓有限会社萩原チキンセンターの公式サイトはこちら!

www.k-chan.co.jp

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