週刊WEBマガジン岐阜人(ぎふびと)

岐阜人(ぎふびと)は、岐阜県のチャレンジし続ける中小企業経営者を紹介する週刊WEBマガジンです。

【第18回】末永く使っていただける無垢材キッチン用品を届けたい!~woodpecker(北方町)福井賢治さん~

第18回となる『岐阜人(ぎふびと)』は、無垢材の各種キッチン用品を製造販売している、woodpecker/ウッドペッカーの福井賢治(ふくいけんじ)さんをご紹介します。

ウッドペッカー福井賢治氏

woodpeckerの工房は岐阜市の西隣、本巣郡北方町にあります。

福井さんを訪ねたのは8月上旬(8/10)でしたが、前週の7月31日(月)まで京都タカシマヤの『木のある暮らし展』に出展していたとのことで、ようやく「地元に帰ってひと息」というタイミングでの訪問でした。

www.hello-woodpecker.com

こちらが、woodprckerの代表的アイテムである「いちょう木のまな板」。

シンメントリー(左右対称)でない緩やかな曲線状のかたちが特徴的となっています。無垢材を使用し、職人の手仕事で仕上げているので、一つとしてまったく同一のものはありません。

いちょうの木のまな板

「いちょうの木のまた板」開発のきっかけは、お子さんが産まれたタイミングで奥さまのためにつくったことが始まりとのことだそうです!

奥さまに大変喜ばれたことから大いに手ごたえを感じ、地元のハンドメードマーケットに出店。こちらでも思った以上に好評を得て、今では150社以上のインテリアショップやライフスタイルショップで取り扱われるまでの人気商品に成長しています。

例えば、ネットショップ&ライフスタイル情報サイト『北欧、暮らしの道具店』では、専用ページまで設けられています。

hokuohkurashi.com

その他の商品としては「山桜のカッティングボード」や、

山桜のカッティングボード

「ケヤキのトレー」、

f:id:kuon-manage:20170821121710j:plain「ひのきの洗濯板」などがあります。

いずれの商品も無垢材を使用していますが、それぞれの用途に最適な木材を選定し、一つひとつ丁寧につくりあげられています。

ひのきの洗濯板

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福井さんが大切にしているのは、お買上げいただいた商品を「日常の暮らしの中で毎日使っていただく」とともに、「できるだけ長く使い続けてほしい」ということ。

そこで同社では、お買上げいただいた商品について「削り直し」や修理のサポート体制を整えています。詳細はWebサイト上でも説明していますが、より多くの人に「大切に」「末永く」お使いいただくため、今年度には専門のパンフレットも制作し、ユーザーや販売店向けに配布をしています。

いちょうの木のまな板パンフ

冊子の中では、毎日使う際のお手入れ方法が、写真入りで紹介されています。

「使う前に水で濡らしたほうが良い」なんて、初めて知りました!

いちょうの木のまた板パンフ2

福井さんの家は、お祖父さんの代から仏壇や神輿(みこし)の製造や修復・修繕を行っていました。仏壇や神輿は、「つくって、納めておしまい」ではなく、そこからお客様との長いおつきあいが始まります。

つくる製品こそ違えど、「つくって、売っておしまい」ではなく、そこから「末永く使い続けてほしい」という思いを持ち、「長く使っていただくためのアフターサービス」にも力を入れているのは、お祖父さんの代から続く価値観が受け継がれているのだと、福井さんのお話を聞いて強く感じました。

もう一つ、福井さんが力を入れていることは、催事やイベントを通じた対面販売。

4月下旬、私がたまたまJR名古屋タカシマヤを訪れた際には、『“ひと手間”のある暮らし展2017~It’s My Life~』に出店中の福井さんにばったり出くわしました!

JRタカシマヤ催事

こちらが、当日撮らせていただいた催事売り場の模様。

JRタカシマヤ催事2

全国各地で開催される催事・イベントは、単発のものから年に一回のものなど様々。

その中でも、福井さんがほぼ毎月出店されているイベントといえば、岐阜市柳ヶ瀬にて第三日曜日に開催されている『サンデービルジングマーケット(通称”サンビル”)』です。

ysbmkt.com

同イベントは、8月20日(日)の開催でちょうど36回目、丸3年を迎えました。

福井さんは、参加の際はほぼ同じ場所で出店しており、過去に商品を購入されたお客様は、”サンビル”会場を訪れることで商品の使い勝手についての感想を伝えたり、お手入れ方法などを聞くことが可能となっています。

いくらスマホ・SNSでのコミュニケーションツールが発達・普及しようとも、究極のコミュニケーション手段は、やはりフェイス to フェイス。「お客様の声」を直接聞ける場として、これからも福井さんは『サンデービルジング』を始めとした催事・イベントに積極的に参加される予定です。

「直接商品を見て購入したい」、「つくり手の思いを直接聞いてみたい」とお考えの方は、ぜひ公式サイトから出店イベントをチェックしてみてはいかがでしょう?

↓『woodpecker(ウッドペッカー)』の公式サイトはこちら!

www.hello-woodpecker.com

【Vol.17】”ドリコミュ”で人と地域を笑顔に!~有限会社関口教材店(飛騨市)関口祐太さん~

第17回となる『岐⾩⼈(ぎふびと)』は、岐阜県の最北にある飛騨市から。教材等の販売を行う有限会社 関口教材店の取締役 関口祐太さんを紹介します。

(有)関口教材店は、『君の名は』の聖地で名⾼い飛騨市古川町にあります。⽇中に町中を⾛っていると、”聖地巡礼”とおぼしき旅⾏客を毎⽇⾒かけるそうです。

関口祐太

それはともかく、同社は地元の学校や保育園向けに教材や備品等の販売を⾏っています。

「皆さまのお仕事を徹底してサポート致します」をテーマに、お客様の思いが実現するよう、よりお仕事がスムーズに進むよう、「スピード」・「細やかなサービス」・「⾏き届いた提案」を⼼がけてみえるとのこと。

販売教材

お客様へのサービスをより良くしていくためには、そこに使える時間をいかに⽣むか。そのために⾃社の業務の効率化が必須!

しかし以前は、問合せ対応から提案・⾒積もり、受注、出荷・納品、請求と多岐に渡る業務の管理をほとんど紙ベースで⾏い、重複した帳票や、その中で起こるミスも多く存在したそうです。さらに書類を探したりといった無駄な時間をいかに省くかを、関口さんは考え続けます。

地元古川町商⼯会や岐⾩のIT⽀援拠点である(公財)ソフトピアジャパンの⽀援を受けながらトライ&エラーを繰り返した結果、最適なシステムとしてクラウドサービス 『Kintone(キントーン)』の導⼊を決定。⾃社の間接業務を年間約155時間削減し、業務の改善も同時に実現します。

クラウドシステム「Kintone」

上記画像のように、『Kintone』はスマートフォンからも操作・閲覧が可能。パソコンが苦手な両親も、何の問題もなくITシステムを利用しているそうです。

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そうして⽣みだされた時間を使い、関口さんが3年ほど前から取り組み始めたことに「コーチング」があります。今後の会社や⾃分⾃⾝の模索をする中、地元でお世話になっている先輩に勧められた本に感銘を受けたのが、コーチングを知ったきっかけだそうです。

勧められた本の著者である平本あきおさんは、オリンピック⾦メダリストのメンタルコーチを務めるほどの超⼀流コーチ。関口さんは⾃⾝がコーチングを受けるだけでなく、⾃ら「コーチ」となるために⾶騨市から東京に通い続け、晴れて「(株)チームフロー認定コーチ」の資格を取得します。

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その後、本格的に「コーチング」活動を始めますが、それとは別に「学んだことを何か地域で活かせないか」と関口さんは考え、仲間と集まり⼀ヶ⽉の振り返りと出来事をグループでシェアする『ドリコミュ(=ドリームコミュニティ)』というイベントを開催し始めます。

↓『ドリコミュ』の概要とイベントの様⼦は、こちらのホームページでもこ覧いただけます。

114homeai.wixsite.com 

定期的な活動の中で参加者が学生さんから先生へと輪が広がる中で、今年2月には関口さんの母校(吉城高校)でも教育プログラムの一環として開催が決定!!

本年度の吉城高校パンフレットでは、『地域課題解決型キャリア教育(YCKプロジェクト)』の一つとして掲載されてます。「最初はこんな事になるとは思ってもみませんでしたが、⾼校と地域が⼀緒になって何かをやっていくための関係づくりに役⽴てば嬉しいです。」と関口さんは話します。

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さらに今年度からは吉城高校での活動がご縁をつなぎ、東京都の大正大学 地方創生学部の教授 浦崎太郎先生のクラス(セルフマネージメントクラス)にて、同大学の学生さんを対象とした講義を受け持つことに!

www.tais.ac.jp

関口さんが 本格的に『ドリコミュ』活動を始めて、わずか一年余り。短期間にこれだけの輪が広がったということは、『ドリコミュ』がいかに参加者の心を”ワクワク”させたかの証であると言えるでしょう。

その他にも、⾼校のキャリア教育プロジェクトサポートやスポーツでの個別メンタルコーチング、保育園のチーム作り、経営者さんの個別コーチングなど、様々な場⾯で⾃⾝の経営の経験やコーチングを活かした活動を始められている関口さん。

今後は地域、教育、スポーツ、経営の分野でいろいろな⽅が前向きに⾏動を起こしていくことをコーチングを通じてサポートされたいとのこと。今後も『ドリコミュ』を通じて人と地域を笑顔に変える、関口さんの活動がますます広がっていくことを楽しみにしたいと思います!!

↓関口さんが代表を務める”ドリコミュ”の公式サイトはこちら!

114homeai.wixsite.com

【Vol.16】国産イグサ畳の利用促進で熊本復興に貢献!~有限会社たかぎ(不破郡垂井町)高木一東志さん~

第16回となる『岐阜人(ぎふびと)』は、本シリーズ初の西濃地方から!

今回は大垣市の隣にある垂井町で、65年以上にわたって畳の製造販売を行っている、有限会社たかぎの高木一東志(たかぎひとし)さんを訪ねました。

高木一東志さん

有限会社たかぎの工場兼ショールームは国道21号線にあります。駐車場からは「たたみ」・「ふすま」の文字が遠くからでも認識できます。

たかぎ直営店

高木さんがショールームを併設した工場を開設したのは2006年のこと。

当時は工務店経由の受注(いわゆる下請け)が7割を占めていましたが、今では一般個人からの直接受注が9割を超えているとのこと!

ショールーム内は、畳を中心とした落ち着いた和空間。来店されたお客様のお話をじっくりとお伺いすることで、スムーズな受注につなげています。

たかぎ店内

店内奥には、様々なタイプの畳製品があります。

たかぎ店内2

こんなカラフルな畳もありました!

カラフル畳

ライフスタイルの変化に伴い「和室」が減少する中、畳の需要も激減。畳業界は今後も厳しい状況が予想されます。

しかし、洋間中心のライフスタイルが中心となるとはいえ、生活空間に「落ち着いた和の要素を取り入れたい」というニーズは依然として強くあります。そんな「和の要素」づくりに最適なのが畳!

高木さんは、そのような「和空間」を求めるニーズに応えるため、様々な商品開発を進めるとともに、設備投資も含めた技術力の向上に努めています。

たかぎ畳工場

こちらの畳はわずか1.5センチ。半畳サイズで1.8kgという軽さ!

片手でも手軽に持ち運べることから、洋室で利用されるお客様が多いそうです。

極薄畳

こちらの畳は、災害発生時の避難所での利用を想定して開発された「防災畳」。

サイズは少し大きめの91cm×91cm。こちらを2枚敷くことで、大柄な男性が避難所で寝泊りする事態になっても、畳の上でぐっすり寝ることが可能となります。

避難所用畳

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ご存知の通り、ここ最近は日本のどこかで毎年自然災害が発生しており、高齢者を中心に、避難所生活を余儀なくされる方が大勢おられます。

避難所生活でのストレスを和らげるためには、快適な睡眠が欠かせません。そこで2014年に全国の畳業者が連携して、災害時に全国の畳店から避難所に畳を無料で届けるプロジェクト『5日で5000枚の約束』が立ち上げられます。

tataminoyakusoku.net

高木さんも開設当初から本プロジェクトに参画。運搬・搬入に楽な「防災畳」が大いに活躍していることでしょう。

自然災害として記憶に新しいのは、昨年4月に発生した熊本地震。熊本県は、畳表の原料となるイグサ(い草)の一大生産地。国産イグサの95%超が、熊本県で生産されていると言われていますが、主たる生産地である熊本県八代市も、昨年の地震で甚大な被害を受けました。

イグサ

高木さんは、国産イグサを積極活用することはもちろんのこと、毎年2回はイグサの産地熊本県に訪れています。勉強会に参加して最新情報を入手するとともに、契約農家を訪れ自らイグサの収穫作業を体験!

イグサ生産地

画像提供:有限会社たかぎ

実際にイグサの生産現場を訪問して生産者と話をし、さらにイグサの収穫も体験することで、お客様に対する説明の際にも活きているそうです。

イグサの生産は、収穫時期には午前3時に起床しての重労働。畳需要の減少と輸入品の増加もあり、この30年間でイグサ生産者は10分の1以下にまで減少しているとのこと。

「良質な畳」には国産のイグサは欠かせません。イグサ農家が今後も見通しを持って生産し続けられるようにするためにも、「国産畳」の良さを積極的に発信し、市場を切り拓いていくことが畳メーカーの使命であると、高木さんは考えています。 

時代は変わっても、日本人の生活は欠かせない「畳」。今後も、高木さんの「畳を通じた新たなライフスタイルの提案」を楽しみにしたいと思います!

↓有限会社たかぎの公式サイトはこちら!

www.tatami-takagi.jp

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